経営者から学ぶ、書籍から学ぶ、参加者相互に学ぶという3つの方法で、自身の「経営判断軸」を作ることを目的に、次世代経営者を育成する「中尾塾」。
代表取締役社長 中尾 隆一郎氏は、塾生のアウトプットと塾生同士のコラボレーション(協働学習)を促進するために、チームタクトを導入。「中尾塾」で学ぶ塾生からは、「目指すべき方向性が見えた」、「社内の一体感を醸成することができた」、「ビジネスを黒字化できた」など、様々な成長実感や進化の声が届いています。
- インターフェイスと機能に可能性を感じ、チームタクト導入を決めた中尾社長。
- ワードクラウド機能やソーシャルグラフで、塾生の関係性や、経営者の興味関心の変遷を確認し、ファシリテーションに活用。
- 新たなことに挑戦する塾生の取り組みが可視化され、それをみた他の塾生が気づきを得て前向きにリーダーシップを育む好循環が生まれた。
- 多数の塾生が、中尾塾で実施しているチームタクトを活用したG-POP®グループリフレクションに有用性を感じ、自社の組織やチームビルディングで実践。
中尾氏はリクルートグループに29年間在籍後、2019年に中尾マネジメント研究所を設立。現在は事業執行・事業開発・マーケティング・人材採用・組織づくりなど、幅広いジャンルのスペシャリストとして活躍されています。
企業へのサービス以外にも、中尾塾にて経営者向けの学びの場を提供。独自のフレームワークとチームタクトを使い、多くの経営者の育成に取り組んでいます。
そんな中尾氏がチームタクトをどのように活用し、それに参加された経営者はどのように変化したのでしょうか?お話をお伺いしました。
中尾塾とはどのような場所なのでしょうか?
2019年11月に私がスタートした経営者向けの塾です。現在の参加者は52人で卒業生もほぼ同数になります。参加者は経営者と企業から派遣された次世代の経営者です。
中尾塾は塾生が経営観(経営の判断軸)をつくり「判断基準」を明確にできることを目的としています。企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、優秀で経験豊富なリーダーであっても未経験の出来事が起き続けています。そんな中でも、経営者は少ない情報で日々判断に迫られ一定以上の成果を求められているため、確固たる判断軸を持つことが重要だからです。
彼らが、判断軸を作るために以下の3つの手法を組み合わせて提供しています。
人から学ぶ:月1回 卓越した経営者との対話
本から学ぶ:月2冊 厳選した良書(中尾氏は年に100冊読書を22年継続中)
相互に学ぶ:週1回 グループリフレクション(G-POP®版グループリフレクション※1)
基本的にはオンラインで実施しており、チームタクトは主に塾生がアウトプットとコラボレーションするためのツールとして活用しています。
チームタクト採用のきっかけとなったのは?
初めてコードタクト代表の後藤さんと出会ったのがとある勉強会でした。その時に学校向け協働ツールのスクールタクトを見せてもらい、そのインターフェイスと機能に可能性を感じました。当時はまだチームタクトはリリースされていませんでしたが、その場で某社の幹部研修でスクールタクトを活用することを即決。週末の幹部研修で活用しました。その場に後藤さんが来てくれたのも良い思い出です。その後、チームタクトがリリースされ、中尾塾でも活用することに決めました。
チームタクトの良いところは、塾生同士がお互いの記入内容を一覧で見ることができる事です。自然と協働学習が進みます。他の人のものを閲覧すること自体はGoogleでもPPTでもできますが、ほとんどの人は他のスライドを見ることはありません。チームタクトはUIがとても良く、動きも軽いことが魅力でした。
ファシリテーション側としてのメリットはありますか?
上述のUIが良い事に加えて、ワードクラウド機能やソーシャルグラフを活用することで、塾生の関係性や、経営者の興味関心の変遷が可視化されるのが秀逸ですね。
例えば、今回のコロナ禍で経営者がチームタクトに書いた単語をワードクラウドで確認すると、コロナ直後は、「コロナ」が真ん中に大きな文字で出ていました。ところが、数週間すると、「新規」「事業」という言葉が出てきたのです。つまり新たな事に動き出している経営者が出始めた証拠です。それを他の経営者が気づき、他の経営者もどんどん前向きになっていったのを覚えています。
参加された塾生はどのように変化していきましたか?
塾生からは目指すべき方向性が見えた、社内の一体感を醸成することができた、ビジネスを黒字化できたなど様々な成長や進化の声をいただいています。※2
ゴールとしている「経営の判断軸」を明確にできたことで、経営者としても自信がつき成長しているのが嬉しいですね。
また中尾塾で実施しているチームタクトを活用したG-POP®版グループリフレクションですが、その有用性を感じ自社で実践する人がほとんどです。G-POP®※3 が好業績を上げている個人あるいは組織(ハイパフォーマー)の実例を参考にしながら確立したマネジメントサイクルなので、参加した経営者は、みな組織に適用したくなるのです。
企業・組織が「業績を上げ続ける」ためには「自律自転する組織」が適していると考えています。それを実現するために有効なマネジメント手法として持ち帰って実践してもらえるのは、とても嬉しい広がりです。
今後、チームタクトに期待することはありますか?
グループリフレクションのさらなる付加価値として、参加者が記載したテキストデータをAIで分析することで、その人の性格の特徴を見える化し分析することができます。現在開発中ですが、これが実現すれば、各メンバーの取扱説明書(トリセツ)を作成することで、自分を客観的に理解するだけでなく、人材採用、人事配置、人材育成など組織運営にも大きく役立つと思っています。
中尾塾でも塾生の成長をサポートするとともに、グループリフレクションのさらなる付加価値としてのトリセツの活用の仕方など模索していきたいです。
※1 G-POP®版グループリフレクション(グループコーチング)とは
https://nminstitute.jp/groupcoaching
※2 実際の中尾塾塾生の声はこちら。
https://nminstitute.jp/customers-voice
※3
G-POP®とは多くの書籍とハイパフォーマーの観察から発見した共通点。ハイパフォーマーは、常にGoalを意識し、事前準備に時間を使い、振返りから学び、仕事の成功確率を高めます。
Gはゴール、PはPre(事前準備)、OはON(実行)、PはPost(振り返り)を意味し、4つの頭文字をつなげたオリジナルの用語。
<プロフィール>
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)
代表取締役社長中尾 隆一郎氏
1964年大阪生まれ。大阪大学工学部卒業。リクルートに29年間勤務。住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室長として同事業を6年間で売り上げ30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長を歴任。2019年株式会社中尾マネジメント研究所( NMI )を設立。専門は事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、管理会計など。
現在 LIFULL、旅工房の社外取締役、博報堂のフェロー、TEPCOフロンティアパートナーズ 投資委員、LiNKX非常勤監査役を兼任。
<書籍紹介>
文中でも紹介したG-POP®版グループリフレクションや中尾塾について詳しく知りたい方は、中尾氏の書籍がおすすめです。
「自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント(フォレスト出版)」では進化型のOJTの手法を徹底解説、最新AIツールの活用例としてチームタクトも登場しています。
また「1000人のエリートを育てた 爆伸びマネジメント(かんき出版)」では「中尾塾」のノウハウをまとめており、組織マネジメントにもセルフマネジメントにも有効な一冊です。