エッセンシャル・マネジメント・スクール(以下、EMS)は、哲学をベースに本質行動学を学べるマネジメントスクールです。

その代表を務めるのが西條剛央氏。若手研究者の登竜門といわれる日本学術振興会特別研究員DCおよびPDを経て、最年少で早稲田大学大学院(MBA)専任講師、客員准教授を歴任。西條氏が独自に体系化した構造構成主義は医療や教育、経営など様々なテーマに導入・応用され、200本以上の論文や専門書が公刊されています。

2018年1月には構造構成主義を発展させ「本質を学ぶ世界で初めての学校」としてEMSを開講しました。当初よりチームタクトを導入し、リアルとオンラインのハイブリッド授業を実現。この時すでに学びのギャップが少ない授業をチームタクトで構築していたため、2020年2月コロナを契機にすべての授業をスムーズにオンラインに切り替えることができました。

場所や時間にとらわれず様々な年代の参加者が集まり、オンラインスクールでありながら修了率は平均90%以上を達成しているEMS。学びを深める工夫やチームタクトの活用法についてお伺いしました。

EMSでは本質行動学のエッセンスを学び、人生のあらゆるものをマネジメントする方法を学ぶ

スクールについて教えてください。

EMSは「本質」を軸に、仕事、プロジェクト、チーム、教育、そして自分の望む人生といったあらゆるものを「マネジメント」していくための「知識や理論」を各分野の講師陣から学べるスクールです。

その入門となる基礎原理コースでは「人間の原理」「価値の原理」「方法の原理」「理論の原理」といった原理をベースに、セルフマネジメントから組織マネジメントまで応用可能な本質行動学のエッセンスを学び、幸せな人生をマネジメントしていく方法を身につけていきます。

期間は約3ヵ月間、チームでの学び合いに加え、毎回のリフレクションと修了レポートを提出し修了となります。参加者は経営者や会社員、大学教員や学校の校長先生をはじめとする教育関係者、医療福祉従事者、公務員、NPO等の職員、カウンセラー、コーチといった個人事業主、現役の学生やアスリートからアーティストまで多種多彩。2019年1月から現在に至るまで、各界で活躍する1,000名以上の修了生を輩出しています。

学び続ける仕組みを工夫し、オンラインスクールでありながら修了率は90%超えを達成。

スクールでの学び方について教えてください。

現在、授業は全てZoomによるオンラインで開催しており、反転授業形式の対話と授業後のリフレクション(振り返り)で学びを深めています。

具体的な流れは次の通りです。

①事前学習:動画を通した学び

事前に配信される講義動画を視聴し、チームタクトにメモをしながら自らのペースで学びの質を高める。

②授業での対話:授業での双方向の学び

Zoomで開催される授業は、講師によるショートレクチャー、チーム内での対話、参加者全体でのシェア及び講師との質疑応答の3つの柱で構成。

③リフレクション:参加者同士の学びあい 

チームタクト上でリフレクションを書き、相互に読みあい交流することでさらに学びを深める。

オンラインでも学び合いが促進できるよう、情報共有やコミュニケーション方法を工夫しています。また安全安心の場を実現するため肯定ファーストを徹底し、参加者が発言しやすい環境にも配慮しています。

例えば授業の方法ですが、EMSの1期あたりの参加者は100人前後となるため、従来の授業のやり方だとお互いに学びあうという横の学びが生じません。そこで導入したのがチーム制で学ぶ仕組みです。授業の大規模メリットと少人数のゼミのメリットのいいとこ取りをすることで、EMSでは大人数でも質を落とすことなく満足度の高い学びが実現しています。

EMSが導入したチーム制で学ぶ仕組み「チームベイスドのFAシステム」

授業以外でも修了生が新参加者の学びをサポートする場を作り、オンライン上でありながら両者が交流していく風土も学びやすさの一因となっています。

このような仕組みや環境により、通学と比べて途中離脱が課題となっているオンラインスクールで修了率は毎回90%を優に越えており、4期・5期は驚異の99%を達成しています。

チームタクトは学びの共有、対話を最大化してくれる欠かせないツール

どのようにチームタクトを活用されたのでしょうか。

EMSの大きな特徴である授業後の「③リフレクションの共有」でチームタクトを最大限に活用しています。

さまざまなバックグランドを持つ参加者が授業を通して得た学びや気づきを「リフレクション」としてチームタクト上に記入し、それを講師や参加者が閲覧、自分が感じたことを書き込みます。

チームタクトを使うことで他の参加者のリフレクションを横断的に見ることができ、お互いにコメントやいいねで刺激しあい、やりとりもスムーズに行うことができます。一方通行ではない双方向の対話中心のスタイルを実現すると共に、自分では見つけることのできない「気づき」をリフレクションを通して得ることができるのです。

またチームタクトのベースがスクールタクトという授業支援ツールということもあり、ビジネスではなくスクール感がでているのも良いですね。講師が遊び心のある独自スタンプを押すだけで参加者は嬉しくなるようで、参加者のモチベーションが上がっていくのがわかります。

チームタクト上に記入したリフレクションの画面。コメントやいいねでお互いに刺激し合う。

リフレクションを通して、EMSでは多様な価値観の参加者がそれぞれの違いを認め、格差なく100人100通りの学び方を実現することができました。これらを踏まえてチームタクトは学びの共有、対話を最大化してしてくれる欠かせないツールといえるでしょう。

これからもチームタクトはなくてはならない存在

2022年4月より基礎原理コースが1年間に3期、曜日を変えて開講することになりました。またその他にも、複数のコース(ASEマネジメントコース2022、エッセンシャル・ドラッカーマネジメント実践コース、その他単科コース等)が平行して走ります。どのようなコース、参加者数であっても、オンライン上での学びの質を高めるにあたり、EMSではチームタクトは不可欠の存在です。

今後もチームタクトと共に、時代の変化や状況に流されない「本質」を探究し、ひいてはそれがいい社会の礎となるような学びの場をつくっていきたいと考えています。